Unite Tokyo 2018のユニティ・テクノロジーズ・ジャパンさんブースで聞いたことのメモ。勘違いしていたので聞いてよかった。
受託開発の場合、受託開発する側は当然Unityライセンス必要として、顧客が納品されたアプリをApp Store等でリリースするケースで、顧客に何を買ってもらえばいいかの話。
Unityライセンス
原則は
「Unityライセンス(サブスクリプション)は、エディタを開いたりビルドしたりするのに必要」
とのことなので、
- 受託側がビルドしたアプリを受け取って公開するだけなら、顧客(パブリッシャー)はUnityライセンス購入は不要
- 受託側からソース(Unityプロジェクト一式)を受け取るとしても、Unityエディタで開いて検収・ビルドしないのであれば、Unityライセンス購入は不要
- ソースをUnityエディタで開いて検収・ビルドする場合でも、エディタを使う期間だけサブスクリプションしていればよく*1、サブスクリプションが切れてからもApp Storeに公開し続けて構わない
Asset Storeで購入したアセット
- 納品物にソースとして購入したアセットを含めるのは再配布として扱う。再配布の扱いは各アセットのライセンスによる
- 購入したアセットは除外して納品したとして、納品後、顧客側で個々のアセットを購入するタイミングでアセットがバージョンアップされている場合がある。Asset Storeから過去のバージョンのものはダウンロードできない点には注意
ディレクトリ構成の例
Asset Storeで購入したアセットを隔離する必要は感じていたので、以下のようにしています、という設定例です。以降はUnityさん推奨というわけではないのでご注意ください。また、後述しますが完全なものではないので、いいアイデアがあればぜひ教えてください!
Unityプロジェクトのディレクトリ構成
まず、プロジェクトのAssetsディレクトリ下に自社開発分を隔離するディレクトリを切ります(以下MY_PROJECT
)。この下に、Editor, Prefabs, Scenes, Scripts, Tests*2など必要に応じて配置していきます。
Asset Storeや.unitypackageファイルをインポートしたものは、Assets/直下に配置ます。ディレクトリ名で別れてくれるものが大半ですが、EditorやPluginsの下に置かれるものもあるのでまとめて除外するためです。
.gitignore
.gitignoreファイルのベースを取得します。
$ curl -o .gitignore https://raw.githubusercontent.com/github/gitignore/master/Unity.gitignore
これに以下を追加します。
# PlayMode testing cache(たぶん)を除外
Assets/InitTestScene*.unity*
# 公開 or 納品するものであれば、自身のプロジェクト以外のAssetsを除外
/Assets/*
!/Assets/MY_PROJECT*
MY_PROJECTの後ろに/
をつけてしまうと.metaファイルが漏れるので注意。
またもし、Assets/Editor/下やAssets/Plugins/下に置いているファイルがあれば、個別に除外指定(!
ではじまる行)を追加してください。
課題
この方式では、以下の課題が未解決です。
- リモートリポジトリをcloneしてそのままビルドできない。これはCI(continuous integration)を使用するときに致命的です。
- Asset Storeからインポートしたアセットに独自の修正を加える場合。MY_PROJECT下に複製して修正するなどできますが、ライセンスを考えると問題ですし、差分に気づかない恐れもあります。
- Assetの設定を自身のフォルダ下に格納するタイプの場合。EasySave2とか、Cross-platform Native Pluginsとか。これも差分に気づきにくいのがつらい。
このうちCIについては、開発機にあるフルセットのプロジェクトをUnity Collaborateに上げて、Unity Cloud Buildでビルドする方式を取っています。一人でやっているので大丈夫なのですが、チーム開発だと厳しい運用だと思います。