やらなイカ?

たぶん、iOS/Androidアプリの開発・テスト関係。

Unity Test RunnerのPlay Mode testsを実機上で実行する #UniteTokyo

9/25, 26に開催されたUnite Tokyo 2019の『Unity Test Runnerを活用して内部品質を向上しよう』というセッションの中で、テストはPlayer(Android端末など)でも実行できる旨をきちんとお伝えできていませんでした*1

以下の質問をいただいたので、これに回答する形でまとめます。

なお、本セッションのスライドはすでにUnity Learning Materialsで公開中。動画は後日公開される予定です。

learning.unity3d.jp togetter.com

セッション全体のフォローアップ記事はこちら。

www.nowsprinting.com

ネイティブプラグイン自体のテストについて

いきなりオフトピですが、ネイティブプラグイン自体のテストは、C++であればGoogletestXcodeを使ってC++のレイヤでユニットテストを書くべきです。

以下に紹介する、Unity Test RunnerのPlay Mode tests実機実行は素早く実行できるものではなく*2、Unityプロジェクトとのインテグレーション(結合・統合)を確認するためのテストケースだけに留めておくのが賢明です。

Play Mode testsをPlayer(実機)で実行する

Test Runnerウィンドウ

Play Mode testsは、Player(実機)で実行することができます。逆に言うと、Edit Mode testsは実行できません。しかし、すべてのテストを実機で実行する必要はないはずですので、一般的なロジックのテストはEdit Modeで、特別に実機でも動作させたいテスト*3のみPlay Modeで書くことをおすすめします。

ビルドターゲットを"Android"に切り替えた状態でTest RunnerウィンドウのPlayModeタブを開くと、右上に "Run all in player(Android)" と書かれたボタンが表示されます。 Android端末をUSB接続した状態でこのボタンをクリックすると、すべてのPlay ModeテストがAndroid端末上で実行されます*4

f:id:nowsprinting:20191001091335p:plain

コマンドライン

コマンドラインからのテスト実行では、引数-testPlatformに(playmodeの代わりに)実行するBuildTarget文字列を指定することで実行できます。

特定プラットフォームでのみ実行されるテスト

「このテストコードは特定のプラットフォームでのみ実行したい」というケースがあるはずです。 その場合、テストメソッドに[UnityPlatform()] アトリビュートを付与し、引数にRuntimePlatformを指定できます。

下例の場合、Test RunnerウィンドウではPlay Modeで”Run all in player(Android)”をクリックしたときのみ、コマンドラインでは引数に-testPlatform Androidを指定したときのみ実行されます。

/// <summary>
/// Android playerでのみ実行されるテスト
/// </summary>
[Test]
[UnityPlatform(RuntimePlatform.Android)]
public void RunOnlyAndroid()
{
    var platform = Application.platform;
    Assert.That(platform, Is.EqualTo(RuntimePlatform.Android));
}

なお、[UnityPlatform]アトリビュートに指定するのは、RuntimePlatformです。 コマンドライン引数-testPlatformに指定するBuildTargetとは文字列が異なるものもありますので注意してください。

iOS Playerの場合

今回Androidを例にしました。iOSの場合、例の如くXcodeプロジェクトが生成されてXcodeが起動します。このときiOS端末がUSB接続されていれば、そのまま自動でインストール・実行されます。

ただし、iOS端末は開発機としてUDIDが登録されているもので、Unityプロジェクト側にTeam IDが設定されている必要があります(要するに普通にXcodeでアプリをBuild and Runできるようにしておく必要があります)。 [1/14追記]

*1:スライドp.34には「Player(実機)」とだけ書いてありましたが特に触れなかった模様

*2:Play Mode testsが遅いだけでなく、実機で動作させるためのビルドが行われます

*3:ネイティブプラグインのほか、パフォーマンス計測など

*4:以前はUnityエディタを起動しているPCとAndroid端末が同じLAN(セグメント)に接続されていなければテスト実行結果がTest Runnerウィンドウに反映されなかったはずですが、Unity 2018.4ではUSB接続だけで反映されました