バイトルで有名なディップ株式会社さんで開催された、リンスタカフェ vol8 「特別編:ユーザーテスト見学会~みんなでピザとビールとUTを楽しもう!」に行ってきました。
実際に参加者の中から数名が被験者となって、写真共有サービス「30days Album」などのユーザテストを行ない、その様子をつまみに飲むという趣向。したがって、まず乾杯して開始。
ちなみに「リンスタカフェ」とはリーン・スタートアップに関するアレコレを話たりするイベントで、今回はなぜか初参加の方が多かったとのこと(私もです)。
以下、進行に沿ったメモですが、あとから質問した内容なども追記しています。
LEDライトを点灯させるテスト
- ウォーミングアップとして、5名選出
- 一人づつ室内に呼び、点灯のさせかたが特殊なLEDライトを渡し「点灯させてください」(タスクを与える)
- 試行錯誤する様をみんなで観察
- 点灯できたら、試行錯誤の手順を振り返り、「どう考えて操作したか」をヒアリング(回顧法/retrospective report method)
- プレッシャーがかかるので、失敗しやすい
- プレッシャーを緩和させる努力は、やっても効果が薄い
- さらにプレッシャーをかけることもある。制限時間を設けて、砂時計を置く。
回顧法と思考発話法
- 回顧法は、被験者が思考を覚えていないので不完全
- 思考発話法(think aloud method)は、少し練習させてからでないと難しい
- 練習は、お手本の動画を見せるのが早い。例えばUIscopeさんの被験者向けお手本動画(下記)
- 被験者曰く「それでも難しい。行動を話すのが精一杯」
写真共有サービス「30days Album」のテスト
- 被験者は、以下を満たした方
- 時間の関係で2名でしたが、本来は5名いれば問題の85%は見つけ出せるとのこと。
- 今回は思考発話法なので、別室で練習。
- ユーザーテストの流れ
ドキュメント共有「DocBase」のテスト
- 被験者は、以下を満たした方
- 開発者(開発者向けサービスなので)
- DocBaseを使ったことがない方
- 同様に思考発話法で実施
- 配属された先でDocBaseを使っている。アカウント追加したメールが届いたので、サインインして開発環境セットアップ手順書を確認する
- 日報のテンプレートがあるので、探して日報を書く
所感
ユーザーテストの実施方法と、それを実際に見ることで、悪いUI/UXを炙り出せることは実感できました。
ただ、ではやろう、となったときの課題として以下がありそうです。
- 適切な被験者、適切なタスクの設定
- 結果をどう受け止めるか。シンプルに悪く、修正できる問題ならいいけれど、往々にしてトレードオフがあったりするはず
前者は、UIscopeさんのようなユーザーテスト実施サービスを利用することで解決しそう。タスクなど自前で用意できるのであれば安く、そうでなければテスト設計から分析レポートまで付けてくれるプランもあるそうです。
一方後者は、特に受託でやっていると色々難しい気がしました。受託の場合、顧客主導で(顧客 - UIscope 間で)やってもらわないとうまくいかなそう。
また、今回は触れられませんでしたが、テストとして実施するのであれば合格基準を設ける必要がありますし(例えばタスク完遂率とか、NE比とか)、このあたりはISO 9241-11とかISO 13407とか読んでみなくては。
あと、以前おすすめされて積読になっていたこれを読まなければ。
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