11/26に発売となる書籍『実践 Appium』をご恵贈いただき、一足先に拝読させていただきました。
- 作者: Manoj Hans,太田健一郎,児島修
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2016/11/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『実践 Appium』は、洋書『Appium Essentials』(Packt Publishing, April 2015)の翻訳書です。Appiumのバージョンは原著執筆当時の1.5を前提に書かれており、サンプルコードも原著のものをそのまま使いますが、監訳者によって最新のAppium 1.6での動作も確認されているそうです。
なお、Appiumとは、iOS/Android向けの自動化ツールで、ネイティブアプリ、ハイブリッドアプリ、Webアプリ(Webブラウザ)向けの自動テストスクリプトをPythonやRubyといった任意の言語で記述・実行できるのが特徴です。 スクリプトは、Webアプリケーションのテスト自動化ツールの定番と言えるSeleniumと同じシンタックスで記述できます。
書かれていること
- Appiumだけでなく、iOSアプリ、Androidアプリの自動テストを実行するための環境設定(SDKのインストール等)から丁寧に書かれています。開発者だけでなく、QA担当者が読むことを意識されている印象
- Appiumサーバの設定について、各項目の解説が書かれている
- iOS/Androidそれぞれの、ネイティブアプリ、ハイブリッドアプリ、Webアプリについて操作方法が書かれている
- iOSシミュレータ/Androidエミュレータだけでなく、iOS/Android実機でのテスト実行方法も書かれている(iOSのプロビジョニングプロファイルまわりの記述も)
- GUIの操作について、単純なタップだけでなく、スクロール、スワイプ、スクリーンショット、システムダイアログへの対応など、実際のテストを書くにあたって必要な操作が書かれている
書かれていないこと
基本的に、GUIベースでAppiumサーバを立ち上げ、テストスクリプトを実行する、という範囲のみ書かれています。これらをCLIで実行し、CIに組み込むあたりのノウハウは得られません。
また、日本語版の書き下ろしは無く、サンプルコードも原著のものをPACKTのサーバやGitHubからダウンロードして使います。すでに原著を読まれている方は書い直す必要はなさそうです。
本書をおすすめするポイント
Appiumを使い始める方、触ったことはあるが業務に本格的に導入しようとしている方には特におすすめできます。
Appiumに限らずオープンソースのツールは変化が早く、逆に言えば本書のような書籍の内容は陳腐化が早いと言えます。しかし、いざ着手しようとしたときに断片的な情報をネットで収集するのは骨が折れるものです。 すぐにはAppiumを使用しない、という方も、本書発売を機にAppiumの"現状"を知っておく価値はあるはずです。
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